《MUMEI》

「痲梁に何があったの?」


婁塙が紫吾の肩に優しく触れた瞬間


腹と背中に稲妻形の傷が走り裂け、血が大量に飛び散った。


「母上…。」


婁塙は口からも血を吐いたが倒れずに持ちこたえた。


「紫吾良く聞くのです。ここにいては殺されます。今すぐ逃げるのです。」


紫吾は驚きを隠せずに目が泳いでいた。


「では…母上も一緒に…。」

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