《MUMEI》

「私はいけません。あなた1人で行くのです。」


「でも母上、1人では嫌です。」


紫吾は涙をためて弱々しく言った。


「紫吾…あなたはもう立派な男児で次期当主なのです。さぁ1人でお行きなさい。行きなさい!!」


紫吾は少しビックリし、婁塙から離れ走って部屋を出た。


「それで良いのです。大丈夫ですよ紫吾、母はあなたの力では死にませんよ。」


婁塙は意識が朦朧としてるなかで、小さな引き出しに近づいた。

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