《MUMEI》

『当主、紫吾です。』


「入れ。」


紫吾はふすまを開け、礼をし顔をあげた。


『当主お話が―。』


紫吾言い終わる前に、当主が遮った。


「その血は誰の血だ。」


紫吾は着物についた血を見、戸惑いながら話し始めた。


『この血は痲梁と母上のものです。』


「なんだと!」


もっと前に
紫吾を始末しとく
べきだった…

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