《MUMEI》

「だから、もしもですよ!」


(ありえないのに…)


美幸さんは私に答えを求めた。


仕方なく、想像してみた。

晶が、私と同じ人間だった場合の、儚い幻想。


「…だったら、嬉しいわね」


ずっと側にいてくれた晶が、私が晶にドキドキするように、晶が私にドキドキしたり。


おかしくなったり

戸惑ったり


それはまるで…


「恋人同士みたいで、楽しいわよね」


きっと、毎日が楽しい。


「両想いですよね?」

「そうね」


美幸さんは、ありえないもしもの話を何度も確認した。


「じゃあ、私、ちょっと晶君の所に行ってきます!」
「…うん」


美幸さんは、何故か嬉しそうに隣の晶の部屋に向かった。


晶の鈴が何回鳴るのか気にしつつ、私は部屋で二人を待っていた。

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