《MUMEI》 紅ノ雷「んな・・いきなり過ぎるっての!あ〜〜も。コレでいいや!!」 周囲に符をばら撒く。 「燐膜符!!」 符がボロボロと朽ちていく。 敵が迫ってきている。 「炎符!」 地面へと炎を叩きつける。 ボゥ!! 炎が式夜と巴を守るように燃え周囲に広がっていく。 炎の勢いに恐れを抱いたのか、次々と炎に向かって水や氷系の魔法が叩き込まれていくが一向に炎を抑えることができない。 それどころか、水を叩き込めば水が燃え・・氷を打ち込めば氷が爆発を起こす。 「な・・!!この炎消えないのか!?」 次第に、炎から距離を取っていく「風姫」の騎士達。 「ふふ〜ん。まぁ、幻やけどね。」 スゥゥ・・・ 炎が突然消えていく。 炎が消えた後には、水や氷が散乱していた。 「天堕ちる者・・その力を示せ。紅き刃を纏い、全てを焼き滅ぼせ、愚者に安らぎと永遠の苦痛を・・」 巴が時間を稼いでいる間に式夜は詠唱を続ける。 「全てを葬り・・闇へと返せ。血を糧とし、その力存分に解き放て!!」 式夜の体から魔力が溢れ・・次第に収束されていく。 「歪なる姫君の名の下に・・集い荒れ狂え、ブラディクロウセル!!」 紅い雷が落ちる。 大気を焼き焦がし、大地を崩壊させ・・数百の騎士を一瞬にして焼き滅ぼした。 「が・・ぅ・・」 ビシャリ・・ 血が零れ落ちる。 意識を保っているのが限界に近い。 「まだ・・使いこなせませんか。ずっと・・練習してたのにな・・」 周囲を見渡し、巴が呆然としているのが目に入った。 「今の・・なん・・」 周囲・・突然の紅い雷によってぽっかりとクレーターが出来ていた。 そこに居たはずの騎士は完全に消滅していた。 「参ったな・・・」 式夜の声に振り返った巴が見たのは血まみれで「無銘」に縋りつくように立っている式夜の姿。 「ちょ・・待って!!今手当てするから!!」 符を取り出し、即座に式夜の手当てを始めようとするが・・ 「・・・ココじゃ、逃げるのが先やね。」 「傷が開いただけです・・このく」 「せめて止血する!!文句なんか知らんからね!!」 周囲をぐるりと見て、式夜を担ぎ上げると加速用の符を限界までばら撒き、戦線を離脱する。 距離が空いているとは言え、周囲にはまだ「風姫」が残っている。 前へ |次へ |
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