《MUMEI》
夏の間
「寂しいんか?」


電話したら鈴木の第一声。


「は?寂しい?なんで?」


何を根拠にそんなこと(怒


「リナさんが帰ったんだろ?」


「なんで知ってんの!?」


リナさん帰ったら私が寂しいだなんて・・・
やめてよね。


「リナさんから電話があった」


「いつ!?」


「さっき」


はぁーーー?


「なんで?」


「知るか」


いつの間に連絡先とか交換してんのよ。


「リナさんが・・・、私が帰ると美紀子さんが寂しくなって鈴木君に電話すると思うからよろしくね・・・、って言ってた。」


勝手なことを・・・


「本当に電話してくるなんてびっくりしたぜ。どんだけ寂しいんだよ」


「違うよっ!!」


もうー、電話するんじゃなかった・・・


「お前、さっさと彼氏とか作れよ」


別にあえて作らない訳じゃないんだけど・・・


「そういう自分は新しい彼女とか出来たわけ?」


て、言って出来てるって言われたらどうしよ・・・


「俺はいいの。当分は冬眠するから」


ほっ、良かった。

って、なんで安心してんだ私は?


「めずらしぃー。こりゃ明日は雪だね」


「その言い方、すっげーババくせぇ〜」


「う、うるさいっ!」


もうーっ。
すっごい嫌だぁーー
はずかしぃ・・・
時間を戻してなかったことにしたいぃ・・・

でも、なんだか楽しいんだよね・・・
こういうやり取りが・・・ヘヘヘ

夏休みも結局こんなんばっかだったけど・・・
この夏の間に鈴木とかなり親しくなった気もするし。


「なんだかんだで今年の夏は楽しかった♪」


はっ!
思わず言ってしまった。


「なんだよいきなり」


本当にいきなり・・・
自分でも思ったことポロリしちゃうなんてビックリ!?


「あ、いや、どこにも行かなかったけど楽しかったなって・・・ハハハ」


「どっか行きたかったの?」


予定では坂田君と付き合って、遊びに行ったりして楽しむはずだったんだけど・・・ガクッ。


「沖縄とか行きたかったなぁと思って」


水着持ってないけど・・・


「沖縄?いいじゃん!俺も行きたい」


なんとなく言っただけなんだけど・・・


「でも、もうクラゲとかいるかもよ・・・」


「じゃぁ、来年行こうぜ!」


え?どういうこと?


「来年?」


「行きたかったんだろ?沖縄」


なんとなく言っただけで・・・
ていうか、まさか・・・


「私と鈴木で?」


「え?嫌だ?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫