《MUMEI》

季節は初秋、9月半ば。

今、JRに乗って研修先に向かってるところ。

座席をくるっと回転させて、向かい合って座ってたりそうでなかったり。

とにかく、みんなのテンションは高い。

そうしてるみんなと通路を挟んで隣の座席に、結衣ちゃんとあたしは座ってる。


『カメラ、ちゃんと持って来たよ♪』

「…一葉〜!」

『インスタントとポラの両方ね♪』

「ありがとう!私は全然だけど、一葉なら普段からカメラ小僧だし♪」

『あはは。でもさ、幼馴染なんだし、こういう機会だし…変に思われないと思うよ?』

「でも、恥ずかしい…じゃん。」


…!!!


『かわいい!!』

「はあ?!」
『今の結衣ちゃんすんごくかわいかった!』
『…煩いっ、黙れ!』
『良いじゃん♪』
「黙れチビ!」
『チビって(泣)』
「お菓子ちょーだい♪」


結衣ちゃんは…※勇人の事が好きだ。
(※99章参照)

今まで身近過ぎたせいか、今更こういうのが恥ずかしいみたい。

だから普段から写真撮りまくってるあたしならって。

もう、幼稚園の時からずっと好きなんだって。

勇人、芳人くん、涼ちん、結衣ちゃんは同じ小学校出身だから、火事の時のあのメンバーが成り立つ。


「俺らにもちょーだい♪」

結「わ、めんどくさいのが来た。」


芳人くん。

それと涼ちんと孝太。


孝「俺そのチョコが良い。」
『あい、どーぞ。』
結「みんな彼女んとこ行けばいーのに!」
涼「あっちにも追い出されたんだけど。」
芳「ここしかお菓子くれないんだけど。」
孝「俺立場ないんだけど?」

結・その他「考ちゃん(笑)・孝太(笑)」


孝太は黙ってればホントにかっこいいのに…。

あ、クラスも違う勇人だけど、勇人はB組だから同じ先発。

ついでに稲田も勇人と同じB組だったりする。

何車両か前に乗ってるはず。


結「篠崎たちは?」

涼「…見てみ(笑)」


…なんだろう?


孝「あ、そのカメラ貸して♪」

『うん。』


ポラ持って篠崎たちの方へ行く孝太たち。

結衣ちゃんと付いてった。


『…あは。良い画♪』


篠崎、小池、大。

3人揃って、ぎゅうぎゅうになって寝てる。

それを孝太がパシャリと撮る。


良いもん手に入れた♪

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