《MUMEI》
睫毛に涙を貯め、苦しそうに一生懸命してくれている。
きっと疲れない様にする方法なんて知らないんだろう。
教えてあげれば良いんだろうけど、でも何か一生懸命さが凄く嬉しくて、俺はそれは黙っていた。
「ちゃんと…気持ち良い?」
ふと見上げる加藤。
口元が、顎が唾液で濡れ、頬が赤く染まっている。
苦しそうに呼吸を整える口元から赤い舌が僅かに見える。
「スゲー…良いよ」
もう良いよと言う代わりに肩を掴み上体を起こしてやる。
ふと恥ずかしそうにうつ向いてしまった加藤の顔を俺はキスで起こした。
お互いを求め合いながら浅い、深いキスを何度も交す。
指先を絡め、肌を合わせ全身で抱きしめ合う。
ベッドにゆっくりと加藤を沈めながら壊れ物を扱う様に全身を撫で、俺は加藤の唇に中指を向けた。
「舐めて」
加藤は静かに頷くと瞼を閉じ俺の手首を両手で掴んだ。
薄い唇に指先が吸い込まれては舌が絡み、抜けてはなぞる様に舌先が這った。
こいつ…可愛いだけだと思い込んできたけど…スゲー色っぽい。
指を二本に増やすと大胆に先ほどのフェラと同じ愛撫を仕掛けてきた。
「もう堪んないって…スッゲーエロっぽい…」
「俺に欲情する?」
「もう、しまくりです…」
指を引き抜き唇を塞ぐ。
俺は腰で加藤の脚を高く持ち上げ、加藤の唾液で濡れた中指をそこにあてた。
「力抜いててな…」
「はあ…、うん」
加藤は俺にきつくしがみつき、俺はそこを探る。
途中でもう一本の濡れた指に変え、ゆっくりと中に潜り込ませた。
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