《MUMEI》

「…」


神は沈黙した。


「ゆき様が待っています」

「もし、我慢出来ないと言えば…」


神は確認した。


「ゆき様は拒まないと思いますよ」


美幸の答えに、神は生唾を飲み込んだ。


「…」


抱いていいのか、ゆきを。

『晶』として。


触れていいのか、…本当に。


「…」


「どうしますか?」


美幸は急かした。


神は、返事のかわりに鈴を鳴らした。


鈴の数は…


「それで、いいんですね?」


リィン


「では、ゆき様の元に戻りましょう」


リィン





そして、二人はゆきの部屋に戻った。

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