《MUMEI》
彼氏だったら・・・
「嫌も何も・・・」


いきなりそんなこと言うなんて。
だって・・・付き合ってもないのに。
友達としてってこと?
同じ部屋で寝るの?
え、じゃぁ、そうなって、あぁなって、どうなるのぉー!?


「え?もしかして二人だと思ってる?」


え?


「タツヤとか誘ってって意味だったんだけど。お前、ブーッ、ハハハハハ。もしかして勘違いした?」


なぬーっ!!!


「二人だったら、すっごい嫌だなって思って。なんて断ろうか悩んでたの!!!」


もうっ、もうっ。
すっごい悔しいよぉー!


「二人だったら断るの?」


鈴木の声のトーンが少し下がった。


「そりゃ・・・断るよ。だって変じゃん。」


実は少し悩んだけど・・・(汗


「じゃぁ、俺がどうしても二人で行きたいって言ったらどうする?」


え?何その質問!!
試されてるのか・・・
本気なのか・・・
妙に真面目に言うから分からないんだよねぇ。


「どうするも何も・・・友達だからって男と二人で旅行なんて・・・変じゃん!」


いくら親しいからって・・・。
とか言いながら大ちゃんの部屋、初対面のくせに泊まったけど・・・(汗


「じゃ、もし俺がお前の彼氏だったら行くか?」


もし彼氏だったら?
一体どういうつもり!?
何がしたいんだろ?この人・・・


「もし彼氏なら行くと思うよ・・・」


もし彼氏ならね・・・


「じゃ、俺がお前の彼氏になればいいんじゃん!」


・・・。


「それで決まり!」


な、何・・・
え?えぇぇぇぇっ?
ちょ、


「ちょっと!勝手に決めないでよー」


私の気持ちとか何も決めずに決めないでー!
って、なんとなく嬉しいけど。


「あ、ひっかかった!」


ひっかかった?
また?


「また勘違いさせようとした?」


鈴木はフフフって笑ってから


「ううん。嘘」


嘘?


「ごめん。紛らわしくって・・・」


まだ鈴木はフフフとか笑いながら話す。


「イライラするんだけど、早く言ってくれない?」


そんな私の言葉なんか無視して鈴木はなかなか話さない。


「うーん。ごめん。いや、うーん。あー、うーん」


「電話、切るよ」


「あー、分かった!えっと、俺と付き合わないかなぁと思って・・・」


分かった?付き合う?
これって・・・告白・・・みたいに良いもんじゃないよね・・・
また馬鹿にされてる?


「どういう意味?」


「だから俺と付き合わないか?」

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