《MUMEI》

とにかく黙らないように、下を向かないようにしながら車内を過ごし。

目的地へ着いた。

ホテルではなく仮の施設のような所に一度集合、休憩し、必要な荷物だけ持って研修スタート。

結「こういう時にバス使えばいいのにー!」

最初は生徒全員が行列を成して同じ所へ行く。

葉「…あ、ナオ!!」
ナ「ん?どした?♪」

全「あ。」

ナ「…いゃー!!!」

『ナオ!(笑)』
さ「菜緒子きったな!(笑)」
サ「うんこ!(笑)」
葉「言っちゃった(笑)」
佳「最悪(笑)」
結「ナオ近付かないでね!(笑)」

ナ「ちょっとー!(泣)」

なんか有名な船らしい。

マネキン?蝋人形?とにかく凄くリアルで不気味な人間の形をした物が、船内に所狭しと置いてある。

さ「一葉、菜緒子みたいなのは"見え"ないんだ?(笑)」

『と言うか、気まぐれ?みたい。でも、見えててもナオなら…』

さ「うん、言ってあげなくて良い(笑)」

その物体の"触るな"の文字は、見えてても読めないのが篠崎一味。

篠「これ孝太にそっくりじゃねえ?」
涼「まじだ、キスしてえ。」
孝「いいよ、みんな俺を抱いて!」
小「こっちのがスタイル良いね♪」
芳「こっちのが色っぽいな♪」
大「こっちのがかっこ良いな♪」

孝「はあ?俺は二人も要らん!」

孝太の回し蹴り。

全「あ!(笑)」


バキッ!


篠「やったな(笑)」

孝太そっくりのそれの首が落っこちた。

いや、ホントに。

孝「やべぇ。」
涼「ちょ(笑)」
芳「あーあ(笑)」
小「まずいねぇ(笑)」
大「お前ら手伝え!」

という事で、生徒みんなが持参させられてる糊をうちらも提供した。

散らばった欠片を片付け、頭を拾い、首に糊を付け、頭を固定。

孝「俺に似てるお前が悪いんだからな。」

ぐらぐらするけど、ちょこんと乗っかってる感じがいかにも元通りっぽくて、それで良しとして来た。

教師に見付からなかったのが不思議。


船を出ると用意された昼食を頂き、その後は班ごとに研修。

ナ「さっさと済ませよ!」

決められたコースがあるんだけど…

従える程大人じゃない。

『お団子屋さん見っけ!』
佳「行こ!」
結「行きますか♪」
ナ「あっちソフトクリームだよ!」
葉「アイス良いなぁ〜。」
サ「そっちが良い!」
さ「じゃあうちらそっちで。」

事前に自分達で決めたはずのコースから外れ、二組に分かれておやつタイム。

昔話に出てきそうなお団子屋さんで串団子を頬張っていると、声を掛けられた。

「…ここコース外だろ?(笑)」

『あ、稲田。…そっちもでしょ?(笑)』

「まあな。でも団子は食わねえ。」

『…美味しいのに。』

「はは。じゃあな♪」

『うん、じゃあね〜。』


結「今の、B組のバスケ部の人だよね?」

佳「キャプテンになった人?」

『そうそう。…勇人とも仲良いはず。』

結「へぇ〜…。」


この後アイス組と合流して、さっさと研修を済ませた。

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