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《MUMEI》 ◇◆◇ 女房が札を手に戻って来ると、薬師はそれを柱に張るように言った。 女房は言われた通り、札を柱に貼り付けた。 「あのう‥」 不安げな表情で桜の宮を見つめたまま神楽が切り出すと、薬師は答えた。 「御心配無く。この方が冒されているのは疫病ではございません」 「では‥」 「簡単に申上げますと──」 薬師は些か躊躇しながら続けた。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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