《MUMEI》

◇◆◇

 闇の中から聞こえて来る、音。

(この音‥)

 それは琴の調べに似ていた。

 だが、この時分に琴を奏でるなどという事があるだろうか。

 神楽は不思議に思った。

 そして徐に立ち上がり、外を見る。

 そこには何もない。

 ましてや人などがいるはずはなかった。

 だが、音は聞こえて来る。

 神楽はそうっと局から出、月のない暗がりの庭へと向かった。

◇◆◇

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫