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《MUMEI》 ◇◆◇ （────あれは‥） 白い、蝶であった。 （遊びに出て来たのかしら‥） そんな事を思いつつ、胡蝶は空を見上げた。 淡く青い、空。 ふと蝶の消えて行った方に目をやり、胡蝶は思った。 （さっきの‥この布の柄に似ていた‥） そんな事を思いつつ暫く市を回り歩いた後──花売りや乾物売りから受け取った包みを両手に抱え、胡蝶は漫ろ歩いていた。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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