《MUMEI》

(変な夢…)

久しぶりに夢を見た。

今年最初の夢だから、初夢だ。

相変わらず晶と私は微妙な距離を保ったまま、年を越した。


私の目も、相変わらず晶の銀色以外は何も映していなかった。


(…何だったんだろう?)


あの夢は。


ただの夢にしては、妙にしっかりした声だった。


女の人の声は、私に少し似ているような気がした。


色の話をしていたと言うことは、御鏡の関係者だろうか?


(やめよう)


私は、深く考えるのはやめた。


私の目が見えたとしても、もう色は見えないから。


でも、女の人が言っていた色は少し気になった。


(『薔薇色』ってどんな色なのかな…)


きっと、素晴らしい色なんだろうなと思った。


そんな色を見る日は、きっと一生無いけれど…


せめて、夢の中では見れるだろうかと思ったが、それ以降、私は不思議な夢は見なかった。

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