《MUMEI》

他の宿泊客に迷惑にならないようにとエレベーターは禁止だから、階段を使って上った。

3階にA・B・Cの女子、4階にD・Eの女子、5階にA・B・Cの男子、6階にD・Eの男子って部屋割り。

2・5・8階には休憩室と宴会場がある。

早速階上から声が聞こえた。


勇「・・・(笑)・・♪」

結「あ、勇人。」

勇「あれ?結衣じゃん。一葉も。」

『うん。…色んなとこ廻ってたの。』

勇「そっか、ちょうど良いし遊んでって♪」


同じ結衣ちゃんの幼馴染みでも、呼び名が"芳人くん"と"勇人"である違いは、キャラの…せいかな。

芳人くんは明るく優しい感じで、勇人は…涼ちん+稲田みたいな感じ。


男子1「勇人の友達だよね?確かEでしょ、たまに見る!」

結「当たり〜♪」
『うんっ…。』


結衣ちゃんはホント社交的で羨ましい。

人見知りって損だ。

でも…今日は頑張らなきゃ。

"勇人とツーショット"の課題以外結衣ちゃんは特に緊張してる風でもなくて、ふざけ合いながらお喋りして場も和んでいった。


『…みんな寄って!』

少し距離を取った位置からそう言って、不自然にならないようにまずはそこの三人を撮った。

誰かが代わろうか?って言ってくれたけど、断って…


『せっかくだから幼馴染みの二人、撮ったげる♪』

結「…かわいく写してね♪」
勇「イケメン風に頼むわ。」


やった!!

…ごめんね、男子1!


『ポラでも一回!』


出てきた画は…すんごく良い。

勇人は結衣ちゃんの肩に腕をまわして笑いながらウィンク、結衣ちゃんはちょっと恥ずかしそうに笑いながら口に手を当ててる。


勇「これ良いな。」
結「…被写体が良いから♪」
『撮影者の腕が良いから♪』
勇「…被写体だな♪」


負けた。


「なんでお前ら仲良いの?」

勇「おぅ。」
1「よぅ。」
結「あ。」

『稲田…。こっちは結衣ちゃん。勇人の幼馴染だよ。』

勇「そゆこと。」
結「どうも〜♪」

稲「幼馴染?へぇ、よろしく♪」

1「なんで一葉ちゃんと稲田が?」

稲「あぁ、こいつバスケ部だから。」


突然の稲田の出現で流れが変わったけど、でも写真は完璧に良い物が撮れたし。

だけど暫くみんなでお喋りしていると、またしても稲田が突然言い出した。



稲「ちょっと大島借りる。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫