《MUMEI》

「ありがと……」

掛けていた浴衣が居間に掛かっていた。

「すげ、腰パン。」

スウェットのウエストも裾も合わない。じろじろ見られたら視姦されているようで気恥ずかしい。

「襟ヨレてるしね?」

シャツも大きい。

「二郎って、着せたくなるよね。」

七生は自然と隣に座らせてくれる。

「なにそれ」

「なんでも似合う二郎は魅力的だなってこと……。」

褒めても何も出ません。

「七生も入ってきなよ。」

話逸らしてやる。

七生は構わず俺の膝に片手を乗せた。

「もう少しだけ……な?」

な、七生……甘えてきた。
大人しくされたら対応に戸惑う。

「……せめて法被脱ぎなよ。湿っぽい。」

「あ、そうか。ゴメン」

……此処でか。
着替えを探しながら上半裸で歩くとこは相変わらずだ。

体は成長しても中身は子供っぽい。

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