《MUMEI》

そう言った神音様の額の中心には、以前見た真珠のような宝石―

御鏡の『守護神』力を高める秘宝・『宝玉』は

無くなっていた。


かわりに、私の額の中心に

それは…


埋まっていた。


熱さが無くなり、辺りを見渡すと


神君だけでなく、他の人達の周りにある色も見えてきた。


その色は、以前のような、原色ではなく


より複雑な色をしていた。

今までの色が十色程だとすると


一気に五倍…十倍に膨れあがったような感覚だった。

(これが、宝玉の力?)


新たな視界に戸惑う私の様子を


神君は


薔薇色でありながら、どこか寂しげな、…切ない色を纏い


じっと、見つめていた。

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