《MUMEI》

紫吾は目を開けた。


そこはさっき同様、真っ暗な所だった。


『ここは…さっきと同じところか?』


「紫吾…。」


後ろから聞こえ、その声は8年ぶりに聞く母の声だった。


『母上?』


紫吾は後ろを振り返った。


するとそこには、稲妻形の傷が腹と背中に入り、血まみれの母だった。


その姿は8年前と同じだった。

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