《MUMEI》
弟(前編)
国道を抜けて裏路地にいくと。白いガードレールがずっと続いてるずっと、ずっと。
永遠に続くようなガードレールが終わると。大きな施設がいきなり聳え立ってみせた。
スリッパに履き替え、ホールに入ると。笑顔で僕を呼び掛けた。
「兄ちゃんa」
赤みがかった髪の少年僕を呼び止めた。弟の泰広だ。
泰広はゆっくり立ち上がりながら僕に手を振った。僕は笑顔でそれに応えた。
弟は左足がない。
泰広はいつも僕の真似をしたがった。
服や髪型。なんでもかんでも真似したがった。
ぼくがバスケをはじめると、やはり泰広は僕の真似をしたがった。三年生にならないと、チームに入ることはできないと。母さんが宥めても泰広は『僕も入る』と駄々を捏ねていた。
僕から遅れること二年泰広は我がウォーリアズに入団がゆるされた。
泰広は直ぐに頭角を現して、四年生になるころには、僕と同じコートの上に立っていた。そして、僕がチームを卒業して3ヶ月。
泰広はチームのエースナンバー23を背負い、コートに立った。
相手チームはライバルチームのホークスだった。第4クォーター3分8秒。81対40
試合は決まっていた。そんな中で泰広は叫んだ。
「さぁ、止めを指しにいくぞ」
チームもそれに甲乙した。
泰広がボールを奪い、速攻を仕掛ける。そのままシュートにいった。しかしボールは放たれることなく。そこにころがった。

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