《MUMEI》
参戦
「隊長!前方コーリア軍です!!」
「医療部隊だけココに残れ!禾憐が降りてきたら最優先で手当てしてやれ!!」
騎馬の速度を上げる。
向こうも必死なのか・・突撃を仕掛けてきている。

「ぬぉぉぉぉ!!」
ドドドド・・
走る、走る、走る。
コーリア軍は目前。
愛用の斧を大きく担ぎ上げ、
ズバン!
先頭の騎士を馬ごと叩きつぶす。
敵は次から次へと、ロシュの横を通り過ぎオデッセの部隊へと突撃していく。
ロシュは自分に対して攻撃してくる敵よりも、横を通り過ぎようとする者に斧を叩き込む。
「かかってこいやあああああああああ!!」

敵味方入り乱れての乱戦。
個々の技術のみが頼りの・・戦略性の低い戦。
だが、逆に・・個々の戦闘能力だけで大きく戦況が左右する。
「は!俺の相手をするには・・100年早いんだよ!!」
ザシュ!
オデッセの操る大剣は相手の剣を破壊し、そのまま相手を斬り伏せる。

「うおりゃああああ!!」
気合と共に叩き込まれる斧は単純な直線。
だが防げるような一撃ではない。
防げば、剣が砕け、そのまま一気に馬まで切り倒される。
「く・・こんな怪力バカに!!」
馬を乗り捨て、そのままロシュに斬りかかる。
馬から下りた状態の方が、細かく動ける。
「到着!!」
「お疲れさん!ロシュ!!」
「助かった。」
「・・・・・・死ぬ率高そうなんだけど・・」
テレポによって移動した、狩月、想花、ボンカー、琴が戦場に降り立つ。
ロシュは壊れた削岩機の如き大暴れ。
傷を負っているのさえ無視。
と言うか本人、気が付いていない。
「おらおら!!」
ドゴン!!
振り下ろされた斧が地面を抉り飛ばす。
「狩月、皇国軍との区別は・・さっき言ったとおりだ。無茶すんなよ!!」
接近戦は苦手、近距離用の武器は一つも構えず弓のみを携えて矢を連射している琴。
ギン!ギン!!ギィィン!!
琴の言葉を聴きながらも騎士の攻撃を防ぐ事で精一杯の狩月。
「ファイア!!」
帯状の炎は鎧に当たって弾け、ダメージが無い。
「・・・やっぱ場違い?」
ボンカーが援護のつもりで放った魔法は・・・意味が無い。

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