《MUMEI》
集う者
(・・魔力を通せ、剣は己の腕の延長・・・)
ギィン!!
次第に目が慣れていく。
(・・恐れるな、刃の重心を・・見切れ!!)
ズ・・
半歩後退し、浅く体を斬られながらも、
(ためらい無く・・斬れ・・)
ザン!!
「リオレイアテイル」をハンディングから渡された際に言われた・・心構え。
言葉に出さず、ひたすらに反復しながら剣を振るう。

「・・幽玄の姫君よ、契約の元、私に力を!アイシクルブレイザー!!」
カカカカカカ!!
ツララが広範囲に降り注ぐが、鎧に阻まれる。
「その程度の精霊術では鎧は貫通できん!!」
「でも・・馬は倒せるよ!!」
「風姫」の騎士の言葉に、強い笑みを返しながら、走りよる。
「飛んでけ!!ストライクタッチ!!」
ゴオオオン!!
馬がツララによってふらついている隙に騎士を杖で殴り飛ばす。
鎧を貫通は出来ないが、衝撃は内部の体まで伝わる。
「甘く見ないでよね!!」
倒れた騎士を見ながら杖を大きく振るう。

「バンプ!さっきの雷・・」
「式夜だろうな・・援護に行かないとマズイな。」
ドン!
背中を合わせながら周囲を見回す。
「突破して・・式夜と合流するぞ!」
「大丈夫だと思うきゅ〜式夜も強くなってるよ?」
「・・式夜が強くなってるのは知ってる。だが・・」
「娘のことが心配だ〜って事?」
ごまがきゅらきゅら笑っている。
「誰が娘だ!!とにかく行くぞ!」
「モードC・・起動!!」
振りかぶられたごまの義腕の先端は・・魔力で作られた巨大なハンマー。
「必殺、ごまちゃんメガトンハンマー!!」
ブォォォン!!
振り下ろされたハンマーは騎士達を素通り、地面を叩くと、巨大な反発力を発生させ騎士達を吹っ飛ばし道を作る。
「・・・そのネーミングセンスだけはどうにかしろ。」
開いた道をごまを担いで走りながら、バンプがボソリと言う。
「きゅ?」

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