《MUMEI》









「おはよう」




「ンっ…」







眼覚めると窓から眩しい光が射している。





眩しすぎてはっきりと眼を開けられない。







手で瞼を擦りながら少しづつ慣らしていく。





「スゲー寝てたよ?もう直ぐ10時になる…」






「えっ?マジ!?」





俺は慌てて、慌てて上体を起こす。




「ハハッ、嘘、まだ7時だよ」







漸く明るさに慣れた俺の眼に映る隆志の姿。







ベッドの脇にでかでかとつっ立っている。





つか備えつけの浴衣が変に短い。







「浴衣姿…変…」






大きな体型のせいで膝上5センチな短い着こなし。





筋肉質で絞まった男らしい脚がくっきり出ちゃっている。




「浴衣ってあんまり俺のサイズ置いてるとこってないんだよなー、惇は良いな、小さいからどこ泊まっても浴衣に悩む事ないだろ」




「うるせーよ、好きで成長しねー訳じゃねー」






隆志はベッドに腰掛けニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んできた。




「何だよ…」





「いやー、昨夜は可愛いかったなーって思って…」




「…」





恥ずかしくて、眼なんか合わせてらんなくて、思わずうつむくと、同時にギュッと抱きしめられた。






広い胸…




石鹸の匂い…、





熱い躰…。





俺は隆志の背中に腕を回すと隆志はクスクス笑いだした。




「もう!何なんだよ!」





「いや、だって!お前俺の事マジですっげー好きなんだもん」




「好きじゃ悪いかよ」




「…バーカ、悪い訳ねーだろ、……」

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