《MUMEI》
▽
「おはよう」
「ンっ…」
眼覚めると窓から眩しい光が射している。
眩しすぎてはっきりと眼を開けられない。
手で瞼を擦りながら少しづつ慣らしていく。
「スゲー寝てたよ?もう直ぐ10時になる…」
「えっ?マジ!?」
俺は慌てて、慌てて上体を起こす。
「ハハッ、嘘、まだ7時だよ」
漸く明るさに慣れた俺の眼に映る隆志の姿。
ベッドの脇にでかでかとつっ立っている。
つか備えつけの浴衣が変に短い。
「浴衣姿…変…」
大きな体型のせいで膝上5センチな短い着こなし。
筋肉質で絞まった男らしい脚がくっきり出ちゃっている。
「浴衣ってあんまり俺のサイズ置いてるとこってないんだよなー、惇は良いな、小さいからどこ泊まっても浴衣に悩む事ないだろ」
「うるせーよ、好きで成長しねー訳じゃねー」
隆志はベッドに腰掛けニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んできた。
「何だよ…」
「いやー、昨夜は可愛いかったなーって思って…」
「…」
恥ずかしくて、眼なんか合わせてらんなくて、思わずうつむくと、同時にギュッと抱きしめられた。
広い胸…
石鹸の匂い…、
熱い躰…。
俺は隆志の背中に腕を回すと隆志はクスクス笑いだした。
「もう!何なんだよ!」
「いや、だって!お前俺の事マジですっげー好きなんだもん」
「好きじゃ悪いかよ」
「…バーカ、悪い訳ねーだろ、……」
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