《MUMEI》

紫吾の意識は今、暗い闇にうつ伏せに倒れていた。


その時、紫吾の頬に涙が一粒落ちた。


紫吾は目を開け、左手で涙に触り、指先についた滴を見た。


なんて
悲しそうな涙…


誰の涙なんだ…


すると、涙が光、紫吾の前にうっすら透けている婁塙が現れた。


紫吾はうつ伏せのまま、体と顔を少し上にあげた。


『母上…。』


婁塙は優しく微笑んだ。

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