《MUMEI》
家族
物心がついた時には
父、母、ひとつ年上の兄、わたしの四人家族。

父の会社は札幌市にありましたが、通勤するには車で1時間はかかる郊外に家を建てたので、父は週末だけ自宅に帰ってきてくる生活をしていた。


父と母は、週に一度久しぶりに会うからか、いつも仲良しで子供がそばにいてもお構いなしでイチャイチャ。

夜はダブルベッドで激しく愛を確認し合ってた。


当時、幼稚園児だったわたしにもリアルにわかるくらい。


とっても幸せそうなお母さん。


父が帰ってくる週末だけは、いつも機嫌が良かった。


わたしは、お母さんに頼まれ父のためにビールなどを買いにおつかいに行くのが日課でした。

お母さんがわたしを頼ってくれて喜んでくれることが嬉しかった。


だから、どんなに寒くても、遠くても。
外が暗くなっても1人でおつかいへ行ってた。
時々、怖くて…寂しくて…切なくなる時もあったけど。



…ひとつ年上の兄は

一緒に行ってくれるような優しい兄ではなかった。

お母さんは、よく兄を叱ってた。

兄が叱られている時には、わたしが隣でいつも泣いていた。

兄の気持ちになると涙が出てきてしまうのだ。

そして、お母さんの怒った形相がなによりもみたくなかった。


…笑ってよ。
父と一緒にいる時みたいに。


兄が、お母さんに叱られた腹いせに
わたしをいじめてきたり、叩いたり、蹴ってきたとしても


…お母さん、わたしは大丈夫だから。

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