《MUMEI》

しかし、神音様は『問題は解決した』と言った。


「それは、一体どういう意味ですか?」


私の問いかけに、神音様は無言で御鏡からの連絡が書かれたメモを私に手渡した。


…神音様にとっては、本当に不本意な展開らしい。


私はすぐに目を通した。


そこには―


「これって…」


「信じ難い現象よ。
今頃、御鏡はパニックね」

神音様は、眉間にしわを寄せながら答えた。


「何て書いてあるんだ?」

神君の問いかけに、私は答えた。


「御鏡の、力を失った人達の力が

神音様が御鏡からいなくなった頃から

…復活したらしいの」


それは、つまり


私が御鏡の『守護神』になった事で


愛する人と結ばれても


御鏡の力は消えなくなった事を意味していた。


私の言葉に、神君は笑いながら言った。


「さすがは、最強の『守護神』だ」


―と。


そして、私は御鏡へ移動した。


神音様と


神君と


一緒に。


私と神君は


ずっと手を繋いだままだった。

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