《MUMEI》 テストがやっと終わった。 部活も再開だが、流石美術部。誰も来ない。 今日から講座も再開だからだ。 講座が終わってから部員は集まるし、ヤイちゃんも高校初テスト明けで疲れて帰っただろう。 「眠い……」 完徹で流石に辛いから寝ておこうか。 「こんにち……」 ……ヤイちゃんの声だ。 薄目で確認する。 俺が寝ている(フリ)のを見て困っている。 右往左往しながら戸惑うのが面白いから暫く狸寝入りしとこう。 狸寝入りに気が付いたのか寄ってくる。 寝息をたてるフリもかなり限界かも……! そろそろ目を開けてもいいか。机に乗せた右頬が痺れてきた。 目を開けるとヤイちゃんが思いの外、近っ……! ヤイちゃんて、右目尻に黒子あったのか……肌キレー……唇柔らかそう。女の子みたい。 目を閉じてると余計にカワイイ。 ヤイちゃん、近いってば。 本当にこのままではキスになる…… キスに……………… なった。 ヤイちゃんの唇は柔らかそうではなく、柔らかい。 ふわっふわのぷるぷるだ。 前へ |次へ |
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