《MUMEI》
新たな環境
神音様が予想した通り、御鏡の屋敷内は騒然としていた。


それでも、神音様が的確な指示を出し、皆を落ち着かせるまで、それほど時間はかからなかった。


神音様は、力の強い者と力が復活した者を当主の間に呼び集めた。


この時点では、神音様が台座に座り、私と神君は最前列に座っていた。


そして、私と神君の両側に、神音様が呼び集めた人達が整列した。


「あの娘は、神那様の」

「額に宝玉が」

「隣は確か御剣の」

「一体何が」


小声で囁き合う声が、私の耳にも届いた。


「皆、集まりましたね」


周囲を見渡し、神音様は口を開いた。


「皆も承知の通り、私の額の宝玉は、今日、ここにいる

神那お姉さまの娘のゆきに受け継がれました。

これからは、ゆきが、御鏡の当主―

新たな『守護神』です」


神音様はそう言うと、立ち上がり、私の手を取った。

私は神音様に導かれ、台座に座り、神音様は、私のいた位置に座った。


周囲の視線が私に集中したのがわかった。


私は、深呼吸をして、口を開いた。


「私が新たな『守護神』と言われましたが、私は外で育ちました」


私は、御鏡の事はまだよくわからなかった

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