《MUMEI》

「ヤイちゃん、あのさ。デッサンさせてくれない?」

俺は普段人は描かない、それでもヤイちゃんを描きたいのは俺が毎日ヤイちゃんを考えているからでそれは二週間経った今もやっぱりヤイちゃんを考えててヤイちゃんがむしろ俺の中によりヤイちゃんで……もう訳が分からん!

「……いいですよ。放課後、また部室に行きます。」

ヤイちゃんは体育館に行く途中だったようで鐘と共にいそいそ廊下を駆けて行った。

鼓動が波打つ。

多分、ヤイちゃんを描いたらこれが何なのかハッキリするだろう。

鉛筆を削ろう。
2Bの鉛筆が丸かった。

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