《MUMEI》

「その新聞紙ゆうちゃんのアイデア?」


「まさか!惇のアイデアだよ、後で拭き取る手間がないのって最高だよねー!でさ、この新聞紙を牛乳パックに詰めて油捨てれば完成なんだ」





「はーなるほど、何一つ無駄にしないってか?加藤君料理も上手そうだしそっち路線でいけばいーのにな、
十代の子が料理本とか生活の知恵なんか発表したら結構売れんじゃないかなー…」




裕斗と俺らしくご飯代わりにビールを飲みながらコロッケを食べる。





多少油っこくてクリーミーさはないが味は完璧にカニクリームコロッケ。




皿いっぱいやけっぱちに山積みされたコロッケを少しづつ二人で崩していく。





「一緒に作ったときは手にべたつかなかったんだよ、何がいけなかったんだろ」
「うーん、俺も料理はするがコロッケはやった事ねーからなぁ、また教わってくれば?」




「そうだね、悔しいからリベンジしなくちゃ」




油っこいからビールが進む進む、





あー酔っ払った、この後駅弁なんか本当に出来んのかな…。






裕斗は冷えたビールを持って今度は俺の隣に座った。




くた〜っと寄り添ってきて




「酔っちゃったぁ、はあ…力入んない」

「寝ちゃえば?無理して起きてなくても…」




ちょっと助かった気分!



エッチはまたの機会にでも…

「ヤだ!今日は変わったエッチするから寝ない!!」




「ゆう…ちゃん…」



やたら色っぽい表情で俺を見つめてくる。




俺は思わず生唾を飲み込んで…多分情けない笑顔を作った。

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