《MUMEI》 神君は私を仰向けにして、浴衣の帯をほどいた。 寒さで私の体が震えた。 しかしそれは一瞬で。 すぐに神君が覆い被さってきたから、人肌が心地よかった。 以前明良さんに同じことをされた時は、苦しく感じた重みも、神君の重みなら、愛しく感じる事ができた。 神君は、本当に、ひたすら優しくしてくれた。 私の反応を確認して、いちいち訊いてくるから、思わず恥ずかしくて、『もう、訊かなくていい』と、思わず言ってしまう その時…までは。 「えっ、ちょ…そんなとこ… あっ…」 「痛くないように」 以前指でほぐした部分を 神君は今度は舌で丹念にほぐした。 (痛くは、ない、けど…) 初めての感覚に私は戸惑った。 頭はボーッとするし、変な声は出るし、とにかく… 恥ずかしかった。 「ごめんな。…もう、余裕無いんだ、実は」 そう言うと、神君はすぐに 私と繋がった。 「…っ…あ」 前のような痛みは無かったが、神君の激しい動きに、私は涙が自然に流れた。 悲しいからではなくて。 私の気持ちを確認するまで、こんなに神君が我慢してたんだなと思うと… 何だか愛しくて 前へ |次へ |
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