《MUMEI》 神は、鳴神を掴んだ。 「こ、これ! 年寄りは労らんか!」 「うるさい! あいつは… 晶はどこだ!」 「うるさいのはお前じゃ」 鳴神は金色に光った。 「うわぁ!」 神は鳴神の雷に感電した。 「手加減はしたぞ」 その言葉通り、神は痙攣や気絶はしなかった。 「まったく。相変わらずじゃな。 お前は、あの若造が絡むと、余裕が無くなる」 「当たり前だろう」 ゆきがどれだけ晶を信頼しているか、神はよく知っていた。 いつも一緒にいるゆきと晶の姿に、神は何度も嫉妬した。 その晶が、復活したと言われて、神は冷静でいられるはずがなかった。 「どこだ、晶!」 実体化した鳴神と違い、姿の見えない晶に、神は焦っていた。 「やれやれ」 鳴神は、神に掴まれ、乱れた毛並を整えながら、その様子を見ていた。 「あともう少し、精気があれば、若造は、晶は実体化出来た。 じゃが、晶もお前と同じで、余裕が無かったらしい。 …ずっと、すねていたからのう。 お前の中で、姫に何もしてやれないと。 じゃから、夢の中でもお前に固くなに会おうとはしなかった」 『晶の実体化』 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |