《MUMEI》 「あ…ごめんなさい。どうぞ。」夏子は慌てて立ち上がってしまった。 「ありがとう。」 冷えたレモネードを片手に座った青年に夏子が恋に落ちるのに時間はかからなかった。 「なぁ今年も海の家に行く?」と准。 「行きましょうよ。」と夏子。二人が出会った海に毎年出掛けるのが恒例の様になっている。 「今年はサークルの仲間も誘おうかと思ってるんだけど。」 「良いじゃん。大勢の方が楽しいしね。」 准は東京大学の3回生で夏子は2回生だった。 前へ |次へ |
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