《MUMEI》 「おぉ、そうじゃ。 一番大事な事を忘れておったわ」 「まだ何かあるのか…」 明るい鳴神に対して、神は痛む頭を押さえながら、うんざりした口調で言った。 「大ありじゃ!」 鳴神は、興奮して、尻尾をパタパタと動かした。 「早く儂に新たな名前を付けろ」 「はぁ?」 神は鳴神の言葉の意味がわからなかった。 「鈍いのう。儂が実体化出来たという事は、儂の雷の力も復活したという事じゃ! そして、お前が新たな雷の『守護神』なのじゃ。 以前力を貸してやったじゃろう?」 確かに、神はゆきを右近と左近から守る為に、鳴神の力を借りた。 「さぁ、早く名付けんかい!」 「ちょっと待て!」 ふんぞり返る鳴神に、神は確認した。 「つまり…俺が、お前の主だという…事、なのか?」 鳴神は頷いた。 「ふざけるな! 主をバシバシ叩く剣の分身がいるか!」 「主として扱われたかったら、そのすぐ熱くなるくせをどうにかせい! それに、儂は姫一筋じゃ!」 「俺こそ、ゆき一筋だ!」 「そんな事で熱くなるから、まだまだじゃと言っておるのじゃ!」 そんな、意味の無いやりとりが続いた後。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |