《MUMEI》
元通り
「これは、…夢、ね?」


景色は何も無い。


あるのは私と


銀色の光を纏った


晶だけだった。


『これは、ただの夢ではありません。

私は、帰ってきたのです。
再び

ゆき様の中へ』


「…そうね」


晶が言うように、この夢は

昔、毎晩見た、晶の声が聞こえる夢と


感覚がよく似ていた。


ただし、あの頃は声しかわからなかったけれど


今は、顔も、姿もわかる。

(不思議)


手を握ると、感触や体温も感じられた。


「もう、別々になる事は無いの?」


剣となったり


実体化したりはしないのだろうか


『本当は…
もう少し『あの者』と共にあれば、それも叶ったかもしれませんが…

それよりも、私は、ゆき様にお会いしたかった。

こうして…誰よりもお側にいたかったのです』


そう言って、晶は、私を優しく抱き締めた。


「うん…おかえりなさい、晶」


私は、ゆっくり目を閉じた。


晶は、そんな私に優しく話しかけた。


『私は…これからは、ゆき様をお守りする為だけの、存在になります』


(変な晶)


「今までだって、そうだったわよ?」


見上げた私に、晶は優しく微笑んだ

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