《MUMEI》
ごくありふれた日常
その夜の一連の騒動は、周囲には一切気付かれていなかった。


後に知った事だが


私達の寝所は


『特殊空間』


になっているらしい。


入れるのは、当主本人と、当主が許可した者のみで


つまり


ああいう展開を、自分自身

望んでいた事になる。


私は恥ずかしくて死にそうだったが


神は『嬉しくて死にそう』と喜んでいた。


朝、私達はそれぞれ身支度を整える。


終わると、自然に入口が開いて、私達は使用人に連れられ、食事を済ませる。


私の希望で、神音様にも同席してもらっている。


「ゆきと食べるのは、楽しいわ」


「私もです」


身内と一緒にする食事は、私の憧れだった。


食後、私と神君は、御剣でしていたように


日本地図と色鉛筆を取り出す。


雷の災害は、以外に多く、神は毎日、雷となった鳴神と共に『出勤』する。


雷は、…日に日に大きくなり、今は、神を背中に乗せられるほどになっていた。

「じゃあ、行ってくる」

「気をつけて」


神が雷に乗ると、雷は空を駆けていった。


常人には、見えないような速さで。


「じゃあ、こちらも始めましょう」

「はい」

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