《MUMEI》

それは、経験上、よくわかる。


しかし、だからこそ、得られる喜びもある。


学べる事もあるのだ。


そして、現在、『御剣と同じ和泉学園でなら』という条件の元、御鏡の子供達も学校に通い始めた。


始めは戸惑っていた子供達も、さすがに子供と言うべきか、すぐに馴染んで、最近では、『屋敷は遠すぎる』と、和泉学園の寮で生活を始める者も出てきた。


しかし、保護者はまだまだ心配なようで…


特に、異性との接触を気にしていた。


その為に、私は新たな規律を作った。


『肉体関係を持つ前に、相手を当主に会わせる事』


―と。


最近、私は、自分に関する色だけでなく、第三者同士の感情もわかるようになっていた。


私も当主として、一族の者には愛する者と結ばれてほしいから


『親戚』と言い、外で、相手を見極める。


薔薇色なら、合格。


それ以外なら…心苦しいが、真実を伝える。


大体相手は考えを読まれ、動揺して、自ら去っていくのだが…


この時ばかりは、心苦しい想いをした。


それも、滅多にある事ではないから


「今日は、ここまでにしましょう」

「ありがとうございました」

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