《MUMEI》

今日も、何事もなく、日が暮れる。


「あ〜、疲れた」


昼食は神音様と二人だが、夕食は神が帰ってきて、三人になる。


神は、『仕事を頑張った』事を強調する。


それはつまり


『雷の力を消耗した』


事を、私に伝えていた。





その夜。


「…疲れてるんでしょう?」


「そう、だから、癒してくれ」


神が私に甘えてきた。


「だ…から…っ…」


神が私の耳たぶを軽く噛んだ。


「だけど、雷に精気をやらないと、…な?」


(嘘つき)


雷は精気を毎日必要としない事には、気付いていたが…


私は、神に甘い。


結局、拒めず


体を重ねてしまう。


―しかし


「もう…ダメ…あ…」


「大丈夫。ゆきは、最強の『守護神』だろ?」


神は、すぐに調子にのる。

だから


「だ…」


「ん?」


バシッ!!


「いい加減、学習せんか!」


毎晩雷が神を殴って止める。


それから…


『まったく』


いそいそと、私の浴衣を直すのは…


「またお前か、晶」


神は、私を睨んだ。


(あぁ、また…)


昔、鳴神が私の体を借りたように。

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