《MUMEI》 神が度を越すと… 晶が私に替わって表に出てくるように いつの間にかなってしまった。 『主はお疲れですから、このまま私と休みます』 「お前、夢の中でゆきに何もしていないだろうな?」 毎晩、繰り返されるやりとり。 私は、映画を観るような視点でいるので、毎晩ハラハラしていた。 晶の答えはいつも決まっていた。 『さぁ、どうでしょう?』 そして晶は、私の顔でニッコリと神に微笑み、目を閉じた。 「晶…あんまり神をいじめないでね」 『あの位は、問題ありませんよ、主』 そして、私は夢の中で晶と二人で語り合う。 と言っても、私が一方的に一日の報告をするだけで、晶は私に寄り添って、嬉しそうに相づちを打つだけだった。 「ねぇ、晶。つまらなくない? 」 私の話は、晶も見ているから、晶が知っている事ばかりだった。 『いいえ、ゆき様。 昔はただ、呼びかけるのが精一杯でしたのに、こうして、ゆき様を独り占めにして、ゆき様が私の為だけに語って下さるのです。 これほど嬉しい事はございません』 「そう…?」 晶は、深く頷いた。 こうして、私の日常は、いつも通り、今日も終わった。 前へ |次へ |
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