《MUMEI》 終章『ゆき様…おめでとうございます』 「ありがとう…今更な感じなんだけどね」 いつもの夜。 私は、晶と夢の中で話をしていた。 神音様からの引き継ぎや 神が雷の『守護神』になった報告や いろいろな事が続いたのと… 私が、どうしても、『守護神』に無関係な汐里を呼びたいと言い出したので 結局 私と神の婚礼の儀が 今日になってしまった。 …今日は少し頑張ったので、神といる時は、雷も晶も出て来なかった。 「神は、未だに言うのよ。『晶と浮気するなよ』って」 私は笑った。 『心の狭い男ですね』 「まぁ…でも、私は『守護神』だから、神も、守るわよ」 そう、私は 神も含めた大切な人を守りたい。 『ならば、私は側でずっとゆき様を守りましょう』 それは、神にも言われた言葉だった。 私が守りたいと想う人は、皆、そうだ。 きっと、誰もが、誰かを守る為に存在している。 私は、たまたま強大な力を授かり、多くの者を守る『守護神』となった。 神とは呼ばれても、私は人で― 誰かに守られている。 そういう意味では… 「きっと、世界中に『守護神』はいるわね」 前へ |次へ |
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