《MUMEI》
事件終結
「隊長・・今のは!!」
「「戦闘を止めろ」か・・下手に動けばあの雷が落ちてくる。仕方ない・・信号手、待機信号を。」
オデッセの言葉に応じるように数発の発光弾が打ち上げられる。
近衛騎士達は、呆然としながらも指示に従い武器を収めていった。

「何らかの策の可能性の方が高い。だが・・」
先ほど放たれた雷。
数千単位で騎士を殲滅できるであろう一撃を・・誰に被害を出すことなく放った理由。
「ヴィア、すぐに信号弾を。全軍後退!!上空の「黒衣」にも伝えなさい。」
アルトレアが騎馬で駆け寄ってくる。
「アルトレア様・・信号手、後退信号を。」

「・・・勝敗はまたの機会にかな?」
リアムとパーシバルは上空で対峙しながら言葉を交わす。
「今のを信用しろと言うのか?」
「私は信用するってだけ。それじゃあねパーシバルさん。」
それだけ言うと踵を返し、飛んでいくリアム。
後方、「風姫」が信号弾を打ち上げているのが眼に入った。
「・・・我々も後退する。「風姫」と合流するぞ。」
パーシバルは傷を見ながらそう、命じた。

「竜騎士が後退する・・?」
「ロゼ陛下。私達も下がりましょう。」
リースとロゼは禾憐の元へ戻る。
「リース!!後退して。えっと・・ロゼ皇帝、皇国軍を止めてください。」
ロアが追いつき、二人に声をかける。
「リースさん、禾憐をお願いします。セイは私が。合流しましょう。」
「解りました。」
頷くと、禾憐を担ぎ上げるリース。
「このまま、休戦に持ち込めれば良いのですが・・」
セイを担ぎながらロゼが呟く。
「騒々しい・・目覚ましだな。」
「セイ・・大丈夫ですか?」
「・・・血が足りん。」

その後、双方の指揮官同士での会談が秘密裏に行なわれ、双方が帰国するということで決着が付いた。
一部の者は不満を露にしていたが、数人の者が捕虜になるという条件で不満は抑えられた。

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