《MUMEI》
私の気持ち。
『えっ?なんてっ?』



『っおい。おーい。』




憐に体をゆすられてハッとした。


……。あれっ?



目の前には憐。


ここは憐の家?




…落ち着け。私。




『うわっ!ゴメン私、今なんか言った?』




一気に現在に戻った。




『…どうしたんだよ?…なんかお前考え込んで1人でブツブツしゃべってたよ。』




憐が不思議そうな顔をしてコッチを見てる。




『…あっ。ゴメン。私、昨日あんまり寝てなくて寝ボケてた。…帰って寝るね。ありがと。じゃまた。』




私は一刻も早く帰りたかった。情けなかった…。



急いで靴を履き、一気に階段を降りる。




『おい。瑠伊。ちょっと待てよ。』




憐が私に叫んだ。




『ゴメン…。帰る。また店に飲みに行くから…。』




私は振り返らず、また走りだした。




『おいっ。待てって。』




憐が追い掛けてくる。


…なんで?


今は話したくないよ…。




憐がまた叫ぶ。




『おいっ。瑠伊。お前、鍵取りにきたんだろ?鍵。』



あっ…。忘れてた。




憐から鍵を受け取って、私は気まずそうに帰った。




憐も何か言いたそうだったけど黙ってた。




私は言えなかった…。



3年も前の恋をまだ引きずってるだなんて…。



誰にも言えなかった…。

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