《MUMEI》 再会(お、自動改札) 相変わらず、ホームは上りの一番線と下りの二番線しかなかったのに。 (人件費節約?) そんな事を考えながら、切符を通した。 駅の待合室も、心無しか、綺麗になった気がする。 (綺麗と言えば…) 座っている女子高生も、OL風の女性も、すごく身なりが整っていた。 確かに、この駅から徒歩で行ける範囲で、高校が一つと、大きな会社が二つあったとは思う。 でも、私がここに住んでいた時は、女子高生は学校のジャージを着たり、健康サンダルを履いていた。 会社も、一つは工場だから、すっぴんのお姉さんをたくさん見かけた。 それに… 春とは言っても、まだ肌寒いのに、異様にミニスカ率が高いのも気になった。 (まぁ、いいか) トレーナーにジーンズ・スニーカーという、至って普通な服装の私は、駅を出た。 見るかぎりでは、一人だけすっぴんだが、気にしなかった。 駅前は、軽く車が一周できるロータリーがある。 中心には、まだ蕾の状態の桜の木が一本植えられていた。 (これは、昔もあったな) それから、たばこ屋も、花屋も…その上の、カメラ屋の看板も… 昔見た景色のままだった。 次へ |
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