《MUMEI》 炒飯はしゃぐキキを見て俺はまた笑みを零す。人と居てこんなに自然に優しく微笑める自分がいるなんて知らなかった。 キキは今も色んな部屋の戸を開けては 「凄〜い!!広い〜!」っと叫んでいた。 俺はまたふっと笑い、キキに話しかけた。 「おいキキ!お前もう晩飯は食ったのか?」 キキは、戸を開ける動作を途中で止め、キョトンとこちらを見ていた。 その様子から、俺はまだなんだろうと判断し台所がある部屋に入り電気をつけた。 フライパンを取り出し油をひく。手慣れた手つきで肉を切り炒める。その間に野菜を切りフライパンへ移す。 そんな調子で炒飯はあっという間に出来上がった。 俺が炒飯を皿に移していると"パタパタ"っという足音と共にキキが台所へ入ってきた。 キキは目をキラキラさせ 「いい匂いがする〜!」っと言って背伸びをし、台の上に置かれた炒飯を見た。 「すぐ持って行くからあっちの椅子に座って待ってな。」っと俺が言うとキキは元気良く返事をし走っていった。 俺はすぐに炒飯を持って行く。するとキキは待ちきれないとでも言うかのように足をバタバタさせていた。 俺は、小皿とコップをとりに台所へ帰る。 「おまたせ!」っと言いながら台所を出るとキキは、炒飯を手で掴み食べていた。 「コラ!キキ!」っと俺が怒った様子で言うとキキは悪びれた様子も見せず 「よしち!これ美味しいね〜!」っと言って笑った。 前へ |次へ |
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