《MUMEI》

 俺はそっとキキの頬に手を伸ばした。
「ほらキキ、頬に米粒が付いてるぞ。」

 そう言ってキキの頬に付いた米粒をとると――次の瞬間、キキが俺の指に噛みつき
「それキキのちゃあはん!!」っと言った。

 キキの行動に、俺は驚き目を丸くしたが
「ははは。ごめんごめん炒飯ならまだあるから大丈夫だよ。」っと言って笑った。

 キキは安心したようにまた炒飯を食べ始めた。

 それから何分かしてキキが
「ふ〜美味しかったぁ!お腹いっぱ〜い!」っと言って両手でお腹をさすった。

 その様子を見て俺はキキの頭を撫でながら
「よく食べたな〜!」っと誉める。

 キキは大きく頷き
「ごちそうさま!!」っと手を合わせた。

「お粗末様でした。」っとキキの頭を軽くポンっと叩き、余った炒飯を食べ始めた。

 炒飯を食べ終わり、使った食器を持って台所に移動する。ささっと洗い物を済ませ、乾燥機にかける。

 洗い物を終わらせ、キキの居るテーブルを拭きに行くと、キキは2つの椅子を繋げその上で寝息をたてていた。

「コラ!キキ風邪ひくぞ!」っとキキを揺すると眉間にシワを寄せたものの、また気持ち良さそうに眠り続ける。

 今の季節は秋……。冬ほど寒くはないが、キキに少し厚手のタオルをかけた。

 台拭きでテーブルを綺麗に拭き、台拭きを洗濯カゴに入れる。

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