《MUMEI》
それぞれの想い
   〜海視点〜


走って去っていく栄実を追いかける気にはならなかった。


栄実が嫌いになったとかそんな理由じゃなくて・・・。

追いかけてまた拒絶されるのが怖かった。


俺こんなに弱かったっけ・・・?

はぁ・・・。

自分の情けなさにため息が出る。


栄実に言われた言葉を思い出す。

"海には関係ないでしょ"


昔よく栄実に言われてたっけ・・・。


俺は昔のことを思い出していた。

"あんたには関係ないでしょ"

"私決めたの!
もう二度と大切な人を作らないって!だから放っておいて。私に関わらないで"

他にも色々言われてたな・・・。

昔もそれなりに傷ついていたけど、同じ言葉でも今言われる方が何十倍も・・・痛い。

それは栄実のことを昔よりずっと好きになったせいもあるし

栄実と過ごしてきた日々があるから、もうあんなこと言われないって思っていたから。


昔の栄実は今以上に人との関わりを拒んでた。特に俺との関わりを・・・。

心はズタズタなはずなのに誰も責めず、泣きたいはずなのに強がって1人で泣いてた。


思いだしてまたため息を零す。


そんな時、俺の頭に栄実が昔のようになってしまうんじゃないかって不安がよぎった。

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