《MUMEI》 ◇◆◇ 「───────」 玄武は考えていた。 陰とは何か。 己とは何か。 「‥‥青龍、わたしの頭上で眠るなと──」 言うておろう、と言いかけ、やめた。 いつもの事だ、と自身に言い聞かせ、言葉をのんだ。 殊に穏やか日和には、眠気に誘われるものだ。 「‥‥‥‥‥‥」 陰に抱かれる、それは、柔らかな光に包まれる安堵感に似ている。 陰、それが何であるのか、まだ答えは出ていない。 ゆっくり考え行こう、と思う。 そして、願う。 己もそんな存在でありたい、と。 ◇◆◇ 玄き陰に抱かれし‐終 前へ |次へ |
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