《MUMEI》
バイク
そんな美樹子の心配をよそに、昼前に鈴木から電話が鳴る。


「もしもし、俺。今日、どうする?」


「え?どうもこうも・・・」


まさか、そんな誘いがあるなんて思ってもなかったから、何にも考えてない。


「せっかくの日曜だぞ!どっか行こうぜ」


「どこに?」


「宝が池は?バイクで行こう!」





それから一時間後に鈴木がバイクで迎えに来てくれた。


「はい。これ被って」


と、渡されたのはヘルメット。


これって・・・詩織さんのお古じゃ!?


気持ちがモヤッとしながら、バイクの後ろに乗った。


「危ないから、ちゃんとつかまってろよ!」


「うん」


と、言って鈴木の腰に手を回そうと思ったけど、


これって、すっごい密着するんじゃ・・・


「早くつかまれって!!」


「あ、ごめん(汗」


思い切って鈴木の背中に抱きついた(?)

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