《MUMEI》 ◇◆◇ 風が水面を駆け、流れる水は戯れる音と共に煌めく。 青龍は長い夢を見ていた。 それは、遠い昔──かつての記憶のようなものであった。 「ねぇ青龍」 「なあに?」 「水が綺麗ね」 「うん」 「空もね、これと同じ色なのよ」 「同じ?」 「ええ、そう。清らかな水の色──」 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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