《MUMEI》

「蝶子ちゃん?!待って、今すぐ開けるから!」


「はい?」


(確かに私は蝶子ですが…)

この声は知りませんよ?


?


?


ガチャッ!


勢いよく、ドアが開いた。

(あ、『しょうが焼き弁当』だな)


一目でそう思った。


身長は高いし、がっしりしてるし


いかにもな感じ。


「うわぁ、久しぶり〜
俺だよ、俺!」


「俺?」


オレオレ詐欺みたいだなと、私はぼんやり思った。


だって、全然、知らない人だから。


「酷いな、俺だよ。

『マサくん』だよ」


『マサくん』


変換


『雅君』


フルネーム


「…村居 雅彦(むらいまさひこ)?」


「正解!入って入って」


そう言って―


『あいつ』の弟で


私と同い年の


『幼なじみのマサくん』は

私を裏口から事務所に招き入れた。


「本当にマサくん?」


あの?


前から四番目で


テノールだった


可愛いマサくん?


「成長しただろ?」


「育ちすぎ」


面影が全く無い。


「え〜!」


訂正、あった。


相変わらず、くるくると表情が変わった。


(気を付けないと、キモイぞ、マサくん)

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